校長挨拶
令和7年4月9日 校長 多田 朋子
埼玉県立所沢おおぞら特別支援学校新座柳瀬分校は、令和6年4月に埼玉県立所沢おおぞら特別支援学校高等部の分校として開校いたしました。新座柳瀬分校は、埼玉県立新座柳瀬高等学校の校舎等の一部が分校設置のために改修され、真新しい教室や施設で、第1期生、第2期生計32名がさまざまな特色ある学習活動に日々挑戦しています。
埼玉県では、平成20年度よりこの「高校内分校」が開設されています。当時は「高等部生徒の職業教育の充実」「ノーマライゼーションの実現」「知的特別支援学校の教室不足への対応」の3点が掲げられ、高校のみなさんのご協力のもと、生徒も教職員も手探りながらも新しい形の学校づくりに情熱を傾けていたものです。
それから時がたち、各分校の取組が高く評価され、令和3年度から毎年度新しい分校が開校し、現在では13校となりました。新座柳瀬分校も先輩分校の成果から学び、新座柳瀬分校ならではの良さを創っていきたいと考えています。
新座柳瀬分校の学校教育目標は、「共に学び 絆を深め 互いに高め合う ~笑顔 意欲 自信~」です。この学校教育目標のもと、新座柳瀬分校での3年間の学びを通して、目指す生徒像に掲げたように、「思いやりや協調性があり、他者を尊重できる」「進んで地域や社会とかかわり、貢献できる」「多様な社会に柔軟に適応し、その中で自分の役割を果たすことができる」生徒になってほしいと願っています。また、本校である所沢おおぞら特別支援学校の分校ですので、共通する言葉を入れたいと思い「絆を深め」という言葉を入れました。これは、分校と本校、分校と新座柳瀬高校との良好な関係をしっかりと築きながら、生徒、教職員、そして本分校が成長していってほしい、という願いを込めています。
新座柳瀬分校では、3年間で教科学習をはじめ、職業教育、新座柳瀬高校との行事や部活動等での交流、地域との連携など、多くのことを学びます。また、「野外活動」という分野を学ぶことも特色としています。これらの学びを通して、社会の中で自分の役割に責任をもって確実に果たし貢献できる人材を育成すること、さらに、災害など有事の際に自分や家族の命を守りつつ地域の中で率先して行動する力や「余暇の過ごし方」を考えるという視点でこれからの自分の人生を豊かに送るために必要な力を育むことを目指しています。
新座柳瀬分校は、まだ歩き始めたばかりの学校です。新座柳瀬高校のみなさま、地域のみなさまのお力をいただきながら、生徒と教職員とで力を合わせ新しい学校づくりに取り組んでまいります。
校長室より
体育祭にて
先週、新座柳瀬高校の体育祭がありました。
高校と分校が一緒に行う体育祭。朝はだいぶ気温が下がりましたが、青空のもと、開催することができました。
生徒たちにとってはもちろんのこと、私にとっても学びの多い素敵な1日でした。
まずは、開会式での私の挨拶を掲載します。
* * * * *
皆さん、おはようございます。分校の校長の多田です。
多くの皆さんとは、今日がはじめまして かもしれません。実は、特別支援学校はどんなに大きな学校でも400人ぐらいしか生徒がいないので、こんなにたくさんの生徒の皆さんを前にして、とても緊張しています。でも、せっかくお時間をいただいたので、ひとつお話をします。
私は小さい頃から運動が得意ではなかったので、小中学校の運動会、体育祭はどちらかというとあまり楽しみではありませんでした。皆さんの中にもそういう人もいるかもしれません。
でも、高校の体育祭は違います。
仲間と協力し合う、応援する、真剣に勝負する など、みんなの力で盛り上げる体育祭は、高校生ならではだと思います。
今日は、新座柳瀬高校と新座柳瀬分校の皆さんが、一緒に体育祭を開催できることを、とてもうれしく思います。
ぜひ、最後まで楽しい体育祭にしてください。以上です。
* * * * *
大勢の高校生たちが、この短い挨拶そのままのように、みんながみんなを応援し、盛り上げ、力いっぱい勝負している姿は、見ていて本当に感動的でした。
そして、分校生もとっても楽しそうでした!これが何より。
大縄跳び99回の大記録は、高校内分校の歴史の中でも、例を見ないのではないかと思います。
きっと、新座柳瀬高校の先生方が、さりげなくさまざまなルールを工夫してくださったおかげだと思います。ありがとうございました。
所沢ブロック校長会 フードデザインのお菓子をお出ししました
10月6日、おおぞら本校にて所沢ブロック校長会が行われました。
これは、所沢市内にある本校を含めた県立高等学校と特別支援学校の校長の集まりです。
せっかくの機会なので、フードデザインで生徒が作ったお菓子をご用意しました。
校長先生方は、「それは楽しみです!」とおっしゃってくださいました。
どなたかに差し上げる、食べていただくということは、生徒たちにとっても、よい学びだと考えています。
令和7年度第2学期始業式 校長の話
分校は今日から2学期が始まりました。
先に多目的室にいたら、生徒たちが元気に入ってきました。
楽しい夏休みだった?学校が始まってみんなに会えてうれしい?どちらでしょう…
2学期は、分校生にとって行事が盛りだくさんで、とても忙しい毎日です。
たくさんの行事があるということは、それだけ成長のチャンスがあるということ。各学年の代表者の作文では「前回の実習の反省点を忘れずに頑張ります」「困ったときには先生に聞けるようになりたいです」など、しっかりした決意が述べられていました。
忙しい日々を通して、自分のことだけではなく周りの人のことを考えられる分校生であってほしいと思います。
今日の話は以下のとおりです。
↓
おはようございます。
皆さん夏休みはどうでしたか。
毎日とても暑かったので、夏バテの人もいたのではないかと思います。
宿題は終わりましたか。
ちなみに、私は鬼怒川温泉に行ってきました。小学校の修学旅行で日光に行った人が多いと思いますが、その近くです。
さて、これは階段です。キスゲ平というところにあり、山の上までずっと続いています。なんと、1445段もあるそうです。
登る前、階段の下にいるときはいい天気だったので、上からの景色を楽しみに頑張って登りました。1445段は本当に大変でした。頑張って登ったのですが頂上はくもっていて、なにも見えませんでした。晴れていたら、こんなふうに雲海が見える日もあるそうです。次の日から筋肉痛になってしばらく大変でした。
1445段は本当に大変でしたが、少しずつ登るとゴールに近づきます。みなさんも、苦手なことや大変なことがあっても、少しずつチャレンジしてみてください。
ほかには、SLにも乗りました。この機関車は昭和16年に作られたものだそうです。今から80年以上前です。北海道で長く走った後、今は東武鉄道のSLとして活躍しているそうです。
さて、今日から2学期です。2学期はたくさんの行事があります。すぐあるのが雲雀祭です。職業班の販売準備など、これから忙しくなると思いますが、ぜひどの行事も楽しんでください。
そして、「みんなが本当に楽しく過ごせるにはどうしたらいいか」を考えてほしいと思います。みなさんは高校生なので、どうしたら仲間がみんな楽しめるか、お客さんが楽しめるかを考えてください。
それから、学校の授業ではありませんが、もうひとつお話します。
11月に、日本で初めて「デフリンピック」が開催されます。
デフリンピックは、きこえない・きこえにくいアスリートのための 国際的なスポーツ大会です。「デフ」は耳が聞こえない・聞こえにくい、という意味で、「オリンピック」とつなぎ合わせて「デフリンピック」です。大きな国際大会なので、ニュースやネットでも見てみてください。
この絵は、目で見てわかるように、陸上のスタートの合図をランプの色で示しているところです。ぜひアスリートたちを応援しましょう。
それでは、これで私からのお話を終わります。
令和7年度第1学期終業式 校長の話
おはようございます。
今日は1学期の終業式です。
さて、1学期を振り返って、どうでしたか。
1年生のみなさん、分校の生活には慣れましたか。
少し自分で考えてみましょう。4月と比べて、「自分は成長した」と思うところはありますか。
2年生のみなさん、先輩になって1学期が過ぎました。始業式には、「1年生にいろいろ教えてあげてください」とお話ししました。どうでしょう、何を教えてあげたでしょうか。また、1年生の時の自分と比べて、「成長した」と思うことはどんなことでしょうか。できるようになったことや気持ちの成長について、自分で振り返ってほしいと思います。
私から見て、挨拶、返事、きびきびした動き、どれも分校生らしい態度が身についてきたと思っています。この前の学校説明会の時に案内してくれたみなさんの挨拶は本当に立派でした。どこの生徒だろうと思ったらうちの生徒だったので、自慢したい気持ちになりました。ぜひこれからも分校生らしい態度を磨いてほしいと思います。
明日から夏休みです。そこで問題です。これは何でしょう。
「ミャクミャク」と言いますね。何のキャラクターでしょうか。今、「EXPO2025大阪・関西万博」が開催中です。テレビで見たことがありますか。
万博が行われている場所は、この地図を見てください。大阪湾の「夢洲(ゆめしま)」というところで行われています。
次の問題、大阪・関西万博の正式名称はなんでしょう。「万博」とはなんの略でしょうか。
答えは「2025年日本国際博覧会」だそうです。万博だから万国博覧会だと思っていたのですが、違いました。
万博というのは、「世界中からたくさんの人やモノが集まるイベント」であり、「地球規模の様々な課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる場」だそうです。英知というのは「優れた知恵」のことです。
これまでの万博では、次のようなものが発明されたそうです。
・エレベーター(1853年、ニューヨーク万博)
・電話(1876年、フィラデルフィア万博)
・ファミリーレストラン、ワイヤレステレフォン、電気自動車、動く歩道(1970年大阪万博)
・ICチップ入り入場券、AED、ドライミスト(2005年愛知万博)
今は当たり前のものも、実は万博をきっかけに発明されたというものはたくさんあるのですね。今回の万博で紹介されているものも、いつかは当たり前になるのかもしれません。
私は万博に行きたいなあと思うのですけれど、行かれそうもないので、ホームページを見てみました。これはその画面なのですが、「会場ライブカメラ」がありました。会場の今の様子が見られます。平日だし暑いけれど結構人がいるんだなあ、なんて思いながら見てみました。面白かったです。
もう一つ、「バーチャル会場」というものもありました。自分のアバターを作って、バーチャルの会場を見て回れるようです。こちらはまだちょっとやってみていないのですが、面白そうです。行けない分、ホームページをあれこれ見て、行った気持ちになってみたいと思います。
さて、最後のお話です。大阪・関西万博は、「SDGs(持続可能な開発目標)」を進めるための大事なきっかけと言われています。今日はSDGsについてはお話しませんが、これからの社会を担っていくみなさんには、ぜひ取り組んでほしい大事な考え方なので、調べたり、考えたりしてください。
明日から夏休みです。部活や勉強、遊びなどの予定があると思います。暑さには十分気を付けて、充実した夏休みを過ごしましょう。
第2回入学式式辞
ただ今、入学を許可しました16名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
本日、ご来賓の皆様にご臨席いただき、このような晴れやかな式で皆さんを迎えられることを、校長として、たいへんうれしく思っています。
今日から皆さんは、埼玉県立所沢おおぞら特別支援学校 新座柳瀬分校の生徒として、新しい一歩を踏み出します。
皆さんに二つ、お願いがあります。
一つ目は、先輩たちと協力して、この新座柳瀬分校を創っていってください。
皆さんご存じのとおり、新座柳瀬分校は、開校2年目です。まだまだ、完成しているわけではありません。先輩や先生と一緒に、どんな学校にしたいかを考え、試行錯誤しながらいろいろなことを決めてほしいと思います。これは、簡単なことではありません。行事や部活動、さまざまな学習の場面で、どんな学校にしたいかを皆で出し合い、そのためにはどうしたらいいかを考え、協力しながら、新座柳瀬分校の歴史を作ってくれることを期待しています。
二つ目は、「なぜ、なんのために、この新座柳瀬分校で学ぶのか」をいつも考えてください。
皆さんは、なぜ、この学校を選んだのでしょうか。高校生との交流が充実している、職業の授業でさまざまな作業を経験できる、「野外活動」に挑戦してみたい、教科の学習を頑張りたいなど、一人一人、理由は違うと思いますが、なぜここで学びたいと思ったかを、忘れないでほしいと思っています。
3年間の高校生活では、楽しいこともたくさんありますが、時には、うまくいかないことや悩むこともあるでしょう。そんなとき、「なぜ、なんのために、この学校で学ぶのか」がしっかりしている人は乗り越えることができ、さらに大きく力を伸ばすことができます。「なぜ、なんのためにここで学ぶのか」を自分に問い続ける3年間であってほしいと思います。
保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日の入学を迎えるにあたり、これまでのご家族の支えに心より敬意を表します。
分校での学びは、三年間という限られた時間です。私たち教職員は、生徒一人一人の自立と社会参加を実現するため、皆様の思いを十分に受け止めながら、日々の指導に全力で取り組んでまいります。
本校の教育に対して、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、本日入学されました16名の新入生の皆さんの学校生活が、充実したものとなりますことを期待して、式辞といたします。
令和7年4月9日
埼玉県立所沢おおぞら特別支援学校長 多田 朋子
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